こんにちは岡山市　中区　湊　くろせ歯科クリニック　副院長黒瀬洋輔です。

今月は、他の医院で歯を抜かなければいけないといわれた歯を、最後まで残す努力を惜しまず、なんとか治癒に向かっていったケースをご覧いただきます。

みなさん、虫歯をほっておくとどうなるかご存知ですか？歯に穴が開いて痛みがでるのだろうと大抵の方は思っていらっしゃるかもしれません。ですがそこで終わらないのが虫歯の怖いところです。歯に穴が開いていくだけでなく、歯の根の先の骨まで少しずつ溶けていくのです！！

しかも冷たいものや温かいものがしみたり、痛みが出たりすることもありますが、痛みが出ずにそこまで進行することだってあります。本人は気づかないうちに根の先の骨が溶けて、膿が溜まっていることだってよくあることなのです。

上の図は一般的に虫歯の進行度合いをわかりやすく示したものですが、右側の２つの状態になってしまえば歯の神経をとる治療をすることになります。

歯の神経をとる治療を簡単にしめしたのが下図です。

根の先の骨の溶ける量が多く、たくさん膿が溜まっている歯ほど、歯のもちが悪くなりますので、歯を抜くことをおすすめする歯医者さんが多いです。しかし現実にはそれでも歯を抜かずになんとか治療をしてほしいという希望の患者さんが多いです。その症例を少しお見せできたらと思います。

初診で来られた患者さんです。赤矢印のところが根の先がレントゲン上で黒くなり骨が溶け、膿が溜まっているのがわかります。

根の中に入っていた古い薬を綺麗にとり、根の先まで清掃にするための器具が到達しているか確認しています。

周りの骨と比べてだいぶ違和感がなくなりました。治療により根の先にあった黒く丸い膿の袋がなくなってきているのが確認できます。

もちろん根の治療がうまくいかない歯もあります。しかしながら、すぐ抜歯し、インプラントやブリッジをおすすめするのではなく、歯を抜かずにすむよう最大限努力してみることは本来の歯科医師の役割だと考えています。自分の歯ほど自分に馴染む歯はないわけですから。